カンピオーネ!第1巻の感想・呪文

   2013/08/30

カンピオーネ! 第1巻 神はまつろわず

著:丈月城
画:シコルスキー
2008年5月28日 第1刷発行
集英社スーパーダッシュ文庫


第1巻の登場人物

作中に登場するキャラクター紹介

草薙護堂 草薙護堂(くさなぎ ごどう): 主人公。カンピオーネ(神殺し)と呼ばれる強大な権能(能力)を持つ少年。いろいろとトラブルに巻き込まれる。
エリカ・ブランデッリ エリカ・ブランデッリ: 他の漫画やラノベではそれほど見られない「小悪魔的な魅力」を持つ美少女。
万里谷祐理 万里谷祐理(まりや ゆり): 巫女。霊視の能力を持つ。護堂の存在を知り最初は恐怖するが次第に・・・。
アテナ ???: 見た目は普通の少女だが、実は・・・。

第1巻の感想

この「カンピオーネ!」という作品は、本来とても面白い高い水準の物語なのですが、残念ながら第1巻はその良さがあまり出ていないように思います。

まず、主人公の草薙護堂のエリカに対する言葉使いや態度が、私にはやたら偉そうに感じました。これはかなり大きなマイナス要因だと思います。主人公に好感が持てないわけですから。第1巻の中盤以降、そして第2巻以降は全然そうではないのですが、第1巻のはじめの方はかなり護堂の言葉使いが「クソ生意気」に感じられます。これはもったいないです。

次に、この作品は「詳細な神話の説明」が大きな特徴で、妄想で適当な世界観設定をしているような他のラノベとの大きな差異なのですが、今回の第1巻に関しては、気合が入りすぎていています。別の言い方をするなら、説明が「多すぎ」「長すぎ」なのです。神話の説明が多すぎるせいで、肝心のラブコメ話やバトルのテンポを悪くし全体的な作品のバランスを悪くしています。第2巻以降はバランスよく説明されているので、この第1巻は残念に思います。

さらに、この第1巻は長大なストーリーの途中からを描いているので「あれ?これ本当に第1巻目?」という違和感を私は感じました。簡単に説明すると、主人公の護堂はイタリアで神を倒してカンピオーネになったわけですが、この第1巻では神を倒してその後 日本に帰って少し経ってからの時点から描き始めているのです。つまり、すでにいくつかの戦いを経ていて、それが詳細な説明もなく当たり前のこととして描かれているのです。私は現時点で第14巻まで読んでいるので「ストーリーの詳細な組立を第1巻からしていたんだ」と感心することしきりなのですが、第1巻を読んだ時点では、始まったばかりの作品のはずなのに既にいろいろ冒険を終えていて「なんだか奇妙なシナリオ構成をする作家さんだなぁ」という印象を受けました。

あと、失礼ながら絵を担当している「シコルスキー」さんの絵が下手すぎるように思います。第2巻以降少しずつ上手くはなっていますが、第1巻は特に下手クソに感じます。正直、この作品の壮大な物語を「絵」が表現できていません。まあ、かわいらしくて好感はもてるのですが・・・。

なんだか批判的なことばかり書いてしまいましたが、私はこの作品の大ファンです。
ただ、第1巻はやはりその魅力が上手く出ていないように思います。
第2巻以降はもっとどんどん面白くなっていきます。
第1巻でつまずいてしまった方は、是非、無理をしてでも第2巻以降を読んでいただきたいと思います。
ぜったいに面白くなっていきます。


第1巻の呪文

原作であるライトノベル第1巻の、呪文や気に入った言葉を書き出してみました。

作中の言葉をゆっくりと噛み締めて読んでみると、
セリフの「かっこよさ」「美しさ」を強く感じました。

エリカ・ブランデッリ
「鋼の獅子と、その祖たる獅子心王よ  騎士エリカ・ブランデッリの誓いを聞け」
「我は猛(たけ)き角笛の継承者、黒き武人の裔(すえ)たれば、我が心折れぬ限り、我が剣も決して折れず。獅子心王よ、闘争の精髄を今こそ我が手に顕(あらわ)し給(たま)え」
(v01 p58 エリカ愛用の武器クオレ・ディ・レオーネを呼び出す呪文)

エリカ・ブランデッリ
「翔(か)けよ、ヘルメスの長靴」
(v01 p62 エリカが壁を軽快に駆け上がった時の呪文)

エリカ・ブランデッリ
「クオレ・ディ・レオーネ  鋼の獅子に使命を授ける。引き裂け、穿(うが)て、噛み砕け!打倒せよ、殲滅(せんめつ)せよ、勝利せよ!我は汝(なんじ)に此(こ)の戦場を委(ゆだ)ねる」
(v01 p62 エリカが剣を銀色の獅子に変えた時の呪文)

エリカ・ブランデッリ
「クオレ・ディ・レオーネ  汝(なんじ)は不滅の鋼なり。我が心が折れぬ限り、決して折れず。獅子よ、我が手中にて健在を示せ!」
(v01 p69 エリカが銀の残骸となったクオレ・ディ・レオーネを剣の姿に戻した呪文)

草薙護堂
「……我は最強にして、全ての勝利を?(つか)む者なり。人と悪魔  全ての敵と、全ての敵意を挫(くじ)く者なり。故に我は、立ちふさがる全ての敵を打ち破らん!」
(v01 p70 護堂が逞しい雄牛の姿をイメージし呟いた呪文)

草薙護堂
「さて汝は契約を破り、世に悪をもたらした。主は仰せられる  咎人(とがびと)には裁きをくだせ。背を砕き、骨、髪、脳髄(のうずい)を抉(えぐ)り出し、血と泥と共に踏みつぶせと。我は鋭く近寄り難き者なれば、主の仰せにより汝に破滅を与えよう」
「猪は汝を粉砕する! 猪は汝を蹂躙(じゅうりん)する!」
(v01 p76 護堂が破壊の権化たる神獣(猪)を呼ばわるための聖句。
これは、神々から奪った権能を誇示する、神殺しの勝ち鬨(どき)である。
これは、仇敵たる神々に向けた、人より生まれし魔王の挑発である。
これは、己(おのれ)が屠(ほふ)った神の力を掌握するための、苛烈な意志の表明である。
天に住まう神々よ、我が言霊を聞き、いずれまみえる神殺しの暴虐を呪え。
海に潜む神々よ、我が言霊を聞き、もはや逃げ場のない己の悲運に哭(な)き、嘆(なげ)け。
我は神々の怨敵(おんてき)である! 我は神力の簒奪者(さんだつしゃ)である! )

エリカ・ブランデッリ
「エリ、エリ、レマ・サバクタニ! 主よ、何故(なにゆえ)我を見捨て給(たも)う!」
「主よ、真昼に我が呼べど御身は応え給(たま)わず。夜もまた沈黙のみ。されど御身は聖なる御方、イスラエルにて諸々の賛歌をうたわれし者なり!」
「我が骨は悉(ことごと)く外れ、我が心は蝋(ろう)となり、身中に溶けり。御身(おんみ)は我を死の塵(ちり)の内に捨て給う! 狗(いぬ)どもが我を取り囲み、悪を為(な)す者の群れが我を苛(さいな)む!」
(v01 p79 p158 エリカの最強の秘技を解き放つための言霊。
天に神はおわせど、我を庇護し給うことはなし。
孤独と絶望、困窮(こんきゅう)と呪詛(じゅそ)。
暗き想念をこめた言霊が世界に満ち、操り手たるエリカに負の力を集めていく。)

エリカ・ブランデッリ
「我が力なる御方よ、我を助け給え、急ぎ給え! 剣より我が魂魄(こんぱく)を救い給え。獅子の牙より救い給え。野牛の角より救い給え!」
(v01 p81 p158 エリカが唱えた 古の聖者が死に際し、神への絶望と渇望(かつぼう)をこめて詠んだ禍歌にして賛歌)

草薙護堂
「……我は最強にして、全ての勝利を?(つか)む者なり。
立ちふさがる全ての敵を打ち破らん! あらゆる障碍(しょうがい)を打ち破らん!」
(v01 p158 護堂が「雄羊」をイメージしながら念じた聖句)

エリカ・ブランデッリ
「我は主の御名を告げ、世界の中心にて御身を讃(たた)え、帰依(きえ)し奉(たてまつ)る!」
(v01 p160 エリカの呪文)

エリカ・ブランデッリ
「鋼(はがね)の獅子(しし)よ、汝(なんじ)に嘆きと怒りの言霊を託す。神の子と聖霊の慟哭(どうこく)を宿し、聖なる末期の血を浴びて、ロンギヌスの聖槍を顕(あらわ)しめよ!」
(v01 p162 エリカが唱えた 絶望の言霊を愛剣の刀身に宿らせる呪文)

エリカ・ブランデッリ
「聖ゲオルギウス! 御身の御名にかけて、今こそ我は竜を討たん!」
(v01 p165 高らかにエリカは謡(うた)う)

エリカ・ブランデッリ
「紅き従事の楔(くさび)よ、竜鱗(りゅうりん)を裂き、臓腑(ぞうふ)を抉(えぐ)れ。殉教の騎士よ、願わくば御身の武勲を我にも分かち与え給え!」
(v01 p165 エリカがアテナに槍を投げた時の言霊)

エリカ・ブランデッリ
「クオレ・ディ・レオーネ! 汝(なんじ)、聖霊と聖者の加護を賜(たまわ)りし者よ。不滅の身を以(もっ)て、使命を果たせ!」
(v01 p166 エリカ武具の破片を変形させ獅子とする口訣(こうけつ))

エリカ・ブランデッリ
「お望みのままに、我が君。あなたは我が剣の主であり、我ら魔術師の王たる御方。御身の仰(おお)せとあらば、よろこんで勝利の鍵を捧(ささ)げましょう」
(v01 p175 エリカが護堂に言った言葉)

草薙護堂
「……我は言霊(ことだま)の技を以(もっ)て、世に義を顕(あらわ)す。これらの呪文は強力にして雄弁なり。強力にして勝利をもたらし、強力にして癒(いや)しをもたらす」
(v01 p230 護堂の、黄金の剣を振るい、祐理を蝕むアテナの神力を断ち切る言霊)

草薙護堂
「全ての邪悪なる者よ、我を恐れよ! 力ある者も不義なる者も、我を討つ能(あた)わず。  我は最強にして、あらゆる障碍(しょうがい)を打ち破るものなり!」
(v01 p236 護堂の剣の言霊)

アテナ
「妾(わらわ)は冬を招き、死を振りまく者。冷たい冥府の支配者。刈り取り、奪いさる略奪の女王。その妾が命ずる。草薙護堂よ、死せる王となり、骸(むくろ)をさらせ!」
(v01 p255 アテナの死の言霊)

草薙護堂
「我が元に来たれ、勝利のために。不死の太陽よ、我がために輝ける駿馬(しゅんめ)を遣(つか)わし給(たま)え。駿足にして霊妙なる馬よ、汝(なんじ)の主たる光輪を疾(と)く運べ!」
(v01 p260 護堂の白馬を呼ぶ言葉)


関連記事

カンピオーネ! 第1巻の感想・呪文  (このページ)
カンピオーネ! 第2巻の感想・呪文

..

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket